柳は緑 花は紅

世界は愛に満ちている…猫と音楽と、ちょっぴり不思議なことが好き!

トイレの恐怖

それは、ある日の昼下がりのことです。
 
 
iPhoneのラジルラジルでラジオを聞いていました。
お気に入りの番組があるんですよ。
すると、トイレに行きたくなりました。
 
 
でも、番組はちょうど良いところだったので、置いて行くのも何なのでそのまま持って入ることに。
 
 
ふ~、スッキリしたー。
 
 
そして、トイレのドアノブに手をかけた時、その恐怖はやってきました。
 
 
 
ん?あ、開かない(;O;)
そう、そうなのです。
トイレのドアが開かないのです。
 
 
そういえば、今朝ドアノブが取れそうになっていたんだっけ・・・・。
 
ってことは!
え、えーーーーっ!\(◎o◎)/!
 
 
もしかして、もしかすると、トイレから出れないの?
頭の中は真っ白です。
 
と、とりあえず、聞いていたラジオを止め、Iphoneの電源を切ります。
 
お、落ち着け!
 
自分に言い聞かせながらも、頭の中にはテレビで見た映像が浮かびました。
それは、トイレに入った老人が倒れて動けなくなり、何日後かに不審に思ったピザ屋の人に助けられたという話でした。
 
 
うちのトイレには窓はありません。
携帯は持っているけど、玄関の鍵は内側からかかっています。
 
さて、どうするか?
 
しばし、悩みます。
 
 
まずは、内側のドアノブの状態を観察。
廻してみても、クルクル回るだけで何の手応えもありません。
外側のドアノブが取れているので、バカになっているのでしょう。
 
 
次に、トイレットペーパーの芯を使ってドアのすき間に入れてみようとしましたが、あえなく断念。
 
 
最後は、映画のワンシーンのようにドアに体当たりしてみましたが、それも無駄でした。トホホ
 
 
 
そうだ!携帯があるじゃないか!!
これは、きっと携帯を使って危機を脱せよという天の導きに違いない。
 
 
 
そう思い、とりあえず不動産屋の電話番号を調べました。
不動産屋に電話して、事情を話して開けてもらうか?
いやしかし、最近猫問題で迷惑をかけているらしい身としては、あまり内部を見せたくない。
(猫を飼っても良いアパートだが、猫の頭数までは言ってないし)
 
それはマズイだろ。
 
電話番号を押すところまでいって、それは却下した。
 
 
では、誰か友達に頼むか?
ダレがいる?しかも、鍵がかかっているんだよね内側から。
友人だと名乗る人に、おいそれとカギは渡さないだろうから、不動産屋に寄ってもらっても、結局不動産屋がカギを開けることになる。
 
 
 
あぁ、それではダメだ。
 
 
では、実家の親に頼み込むか?
ここは一つ、人生最後の頼みということで・・・・。
 
いや、それには一つ難点がある。
実の親なら不動産屋もカギを渡すかもしれないけど、老親がここへ来てもドアを開けることは出来なさそうだ。
 
 
ふ~、ダメか。
 
 
 
そうだ!
便利屋っていう、なんでもしてくれる職業があったよね。
 
 
そう思ってネットで探してみると、ここいら辺にも何軒かあるらしい。
まず、芸能人が宣伝していたところにかけてみた。
 
「はい、○○○です。」
「あのー、トイレに閉じ込められちゃったんですが?」
 
「どちらですか?」
「××です。」
 
「残念ですが、××にはございません。」
「・・・・そうですか。失礼します。」
 
 
 
 
次にかけるのは大手じゃなくて、地元の小回りが利くところがいいな。
そう思って、近場のところにかけてみる。
 
「はい、△△です。」
「あのー、(以下略)」
 
「あー、ちょっとすぐには行けないな~。それに、鍵なら結局よそに頼まなくちゃならないしね。」
「あっ、いや、どのくらいかかりますか?」
 
「結局行ってもダメかもしんないし・・・内側から鍵かかってんでしょ?」
「あ、あの、」
 
「鍵屋に事情を話して来てもらったほうがいいんじゃないかな。」
「そちらで懇意にしているところとか無いですか?」
 
「んー、よくあるじゃない、ヨイロックとか。」
「ヨ、ヨイロックですか?」
 
「それより、アパートなら大家か不動産屋に電話したほうが早いと思うよ。」
「・・・・・・・あ、あぁそうですね。ありがとうございます・・・。」
 
力なく電話を切る。
その時点で電池の残量は50%を切っていました。
 
まずいぞ!
とりあえず、教えてもらったヨイロックをネットで探す。
 
 
え~い!だめもとだ。
そう思って電話をかけてみる。
 
「はい、ヨイロックです。」
 
感じの良さそうな声。
 
「あ、あの(以下略)」
 
「・・・新しい鍵だったりすると開かないかもしれないし、古い鍵でもねぇ、鍵を壊すことになるかもしれませんよ?」
「い、いや新しく無いっス。フツーの鍵です。壊してもいいですから・・・」
 
「じゃ、玄関の前まで行ったらまた連絡しますね。住所教えてください。」
 
 
やたっ!!\(-o-)/
ゆっくりと便座に腰を下ろし、ヨイロックさんが来るのを待ちます。
ふーーーーーーー。
長かった。
 
 
 
 
 
そして、到着したヨイロックさんは玄関の鍵を開け、トイレのドアノブを外し、無事開放されたのでした。
最後にドアノブも交換して行ってくれました。
 
締めて1万6千200円ナリ。
お安いもんです、トイレに閉じ込められる恐怖に比べれば。
 
 
 
今でも思います。
あの時、iPhoneを持ってなかったらどうなっていたんだろうと。
 
考えたくもない恐怖です。